二胡とは



・概説


  擦弦楽器の一種で、2本の弦を間に挟んだ弓で弾く。琴筒はニシキヘビの皮で覆われている。原型楽器は、唐代~宋代にシルクロードを経由して西方より伝来したと考えられる。その後劉天華などにより改良を重ねられ、現在普及している形は、1950年代から(文化大革命の停滞期を挟み)1980年代ごろに出来上がったものが基本となっている。 日本における「二胡」と「胡弓」の混同

  日本においてはこの楽器を胡弓と呼ぶ場合があるが、中国の二胡と日本の胡弓には直接のつながりがなく、まったく別の楽器であり、この用法は誤用である。胡弓は日本の伝統楽器、および伝統的な擦弦楽器群の総称をいう。また、中国には胡弓と呼ばれる楽器はない。

江戸時代にはすでに明清楽 (殊に清楽)の流行と共に二胡の原楽器である胡琴が演奏されていたが、明治から昭和前半にかけ本来の胡弓が衰退して知名度が低下した結果、次第に混同されこのような誤用が起こったと考えられる。

  またこの誤用が一般的に普及した背景もあってか、中国胡弓と紹介する例も存在する。ただし、この場合前出の「胡琴」や「京胡」などの中国の伝統的な擦弦楽器全般(「胡弓」の用法と同様に)を指す場合もあり、読み手には文脈上の注意が必要になる。 いずれにせよ。

・歴史


伝来から1900年代初頭まで

  「胡」という文字は、中国では「北方の異民族」または「西方の異民族」を指す言葉です。「二胡」は中国発祥の楽器ではなく、シルクロードを通って伝来した楽器であろうというのが現在有力な説です。では、まず擦弦楽器の歴史をたどってみましょう。
  擦弦楽器は、紀元前にインドあたりで発生しました。紀元後になるとアラビア半島で盛んに使用されていたようです。

  この楽器は「ラバーブ」とか「レバーブ」という名称でした。その後、半島を中心として、イスラム教の発展に伴い、東西に広まります。西に広まったものは、今日のヴァイオリンとなりました。そして東には、三弦系がインド、東南アジア、中国南部、琉球、日本へと広まります(前述の「胡弓」)。二弦系は中央アジア、中国へと広まりました。

  この二弦系の楽器は、木ないし竹の円筒形胴を持ち片面を皮(にしきへび)で張るものと、木の実などを半分に割ってその面に皮とか薄い板をかぶせるものの二種類で、前者を「胡琴」、後者を「提琴」・「椀胡」・「椰胡」などともよびます。

  さて、中国で初めて擦弦楽器が歴史に登場するのは、唐代(618-907)とされています。この時はまだ、ねかした弦楽器を棒でこすり音を出していました。この楽器は「軋箏」(あつそう)といいます。しかし、このころ「胡琴」という言葉は琵琶類を指していたようです。

1920年頃から現在まで

 20世紀に入り、中国にも西洋音楽が流入します。1920年代には、劉天華(1895-1932)によりヴァイオリンの奏法を取り入れた新しい演奏技術が生まれました。また彼は、初めて音楽学校の正式な課程として二胡の専攻科目を設け、多くの独奏曲を作曲しました。伴奏楽器であった二胡は独奏楽器としての地位を確立していきました。

 1950年代に入ると楽器の改良が進みます。それまで絹でできていた弦を金属に改良、音量も大きくなりました。その他にも、全体に渡って様々な改良が加えられました。 (現在もいろいろな試みがなされ改良は続いています。)また、この頃には独奏曲も数多く作曲されました。

 文化大革命(1966-1976)の間は民族音楽も軽視されたために大学が封鎖されるなどの状況にありましたが、終結後は地方の音楽大学でも演奏家の育成に力がいれられるなど、より一層の演奏家の技術の向上がみられるようになりました。それに伴い、大曲の完成、また民族音楽だけでなくクラシックやポピュラー音楽も演奏されるようになり、現在に至っています。



・種類


    二胡は琴筒の形状、製作地によって大きく三つに分類され、以下の特徴がある

  • 蘇州二胡:琴筒が表裏とも六角、裏面に透かし彫り。哀愁ある深い音色。
  • 北京二胡:琴筒の正面が八角形、裏側は円形。一般的には六角のものより音質が硬い。
  • 上海二胡:琴筒が表裏とも六角、裏面の透かし彫りが蘇州より細かい。みやげ用に大量生産されているものが多く、音色に個性がない。

  • 二胡は元来その定義的に、琴皮にはニシキヘビの皮を使用している。しかし近年は絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(サイテス:ワシントン条約)などの動物保護条約に絡み、国際的に輸出入規制が強化されている関係から、安価な製品ではメーカーによっては規制の対象外である代用皮革(例えば羊・犬の皮や人工皮革・合成皮革など)を用いることがある。それらには通例、蛇のうろこ模様がプリントされているので、よく品質を確認する必要がある。 また、同じニシキヘビの皮を使用しているものでも、その健康状態、雌雄の別、捕獲時期、各個体の皮のどこの部分を使うかによって品質に大きな個体差が発生するため、琴皮選択には素材の持ち味を活かす最適な加工技術に裏付けられた熟練した鑑識眼が求められる。


・代表的な作曲者



・代表的な作品



・代表的な演奏家

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